快気祝い・お見舞いお返しののしについて
最終更新日: 2023年08月15日
快気祝いに限らず、贈り物に付ける、「のし」。聞いたことはあっても、その意味や使い分けをよく知らないから、のしは付けないで渡す、そんな方も多いのではないでしょうか?
のしを付けないで渡すことは、お祝いのシーンでも、お返しのシーンでもせっかく贈ってくれた相手に対して非常に失礼です。
この記事を通して、快気祝い・お見舞いお返しののしマナーをしっかり理解し、入院中にもらったお見舞いに正しくお礼をしましょう。
目次
入院中にお見舞いをもらったけど、お返しは必要?
病気やケガで入院中に、お見舞いとして贈り物をもらった。退院したら、お返しはどうしたらいいの?退院の手続きや身の回りの整理、その後の通院など、退院してからも、なにかとバタバタしがち。とはいえ、入院中にもらった心遣いを無下には出来ません。まずは、お見舞いのお礼として贈るギフトのマナーについて、説明します。
快気祝い・お見舞いお返しを贈る時期は?
入院中にもらったお見舞いお返しというのは、無事に退院できたことを報告する意味も込められているので、「御見舞御礼」や「快気祝い」として贈られます。そのため、退院してから、10日~1か月のタイミングで贈るのが一般的です。
明確な決まりがあるわけではないので、もし、1か月を過ぎてから、お返しを贈っても問題はありません。ただし、無事に退院できたことへのお礼の意味を込めて、あまり遅くならないように気を付けましょう。
快気祝い・お見舞いお返しの金額の目安は?
お見舞いの、半額~3分の1の金額の商品を、お礼として選ぶと良いでしょう。迷ってしまう場合は、自分と贈り主との関係性を考慮してみてください。退院後の人間関係に失礼のない金額・商品を選ぶようにしましょう。ただし、これはあくまで目安です。
親族やご近所の方から贈り物をもらったこと以外で、「何度も様子を気にかけて、病院に足を運んでくれた」「身の回りの世話を引き受けてくれた」など、金額に換算できない心遣いを受け取ることもしばしば。
この場合は必ずしも、一般的な金額でお返しする必要はありません。感謝の気持ちをしっかり伝えられるお礼を選びましょう。
職場や友人から連名でもらった場合は、1人当たりの金額を計算して、個包装のお菓子など、みんなで分けられるものを、グループに贈るといいでしょう。
快気祝い・お見舞いお返しにふさわしい贈り物とは?
お見舞いお返しは、食品やタオル、洗剤などの消耗品がオススメです。快気祝いは、「病気が消えて元気になった」という意味を込めることから、あとに残ってしまうものを贈るのは避けた方が良いでしょう。また、病床を連想させるパジャマや寝具も、快気祝いとしてはタブーとされています。
食べたら消えてなくなる食品や、綺麗に洗い流す洗剤やタオルが、お見舞いのお礼として多く選ばれています。また、快気祝いとして、贈った相手が自由に品物を選ぶことができるため、カタログギフトを選ぶ方も増えています。カタログギフトは、お返しを個々に選ぶ必要がない上、金額によって送り分けができるため、とても便利です。
快気祝いを贈るときは、用向きがわかるように、必ず「のし」を付けて贈るようにしましょう。
贈り物の顔「のし」って、そもそもなに?
快気祝いにかぎらず、贈り物に付ける「のし」。聞いたことはあっても、その意味や使い分けをよく知らない、分からないので、のしは付けないで渡す。そんな方も多くみられます。
病気やケガで入院中に、気にかけてくださった方々にお礼の気持ちを込めて贈る、快気祝い。せっかくなら、正しい贈り物のマナーに則って贈りたいですよね。
のしのマナーを正しく知って、快気祝い・お見舞いお返しのギフトの格をグッと高めましょう。
のしとは?
のしとは、のし紙やのし袋の右上に付けられた、紅白の飾り物のことを指します。一般的に思い浮かべる、水引とのしが印刷された用紙のことを指すわけではありません。それは、「のし紙」と呼ばれるものです。
のしは、のしあわびの略称で、紅白の包み紙の中には薄く削いだ鮑(あわび)を乾燥させたものを包み、神様に奉納していたことに由来します。鮑には、「長寿」という意味があり、いわば、縁起物の象徴です。
今では、鮑を黄色のビニールで代用したり、のし紙に印刷したものを使用したりしています。そのため、慶事ごとにはのし(=のしあわび)を付けて贈ることがマナーとされています。
のしを付けてはいけないケースは?
先に述べたようにのしは、縁起物の象徴です。結婚や出産のお祝いや内祝い、お中元やお歳暮、お礼といった一般的なギフトにはのしあわびが付きますが、不祝儀ごとにはのしあわびを付けてはいけません。
お見舞いお返しは、注意が必要です。
入院していた人が回復した、もしくは、その後の通院は必要でも、退院することができたという場合は、のしあわびがついた、紅白のしを使用します。
ただし、入院中にお見舞いをもらったけど、残念ながら亡くなってしまった場合は、のしあわびを付けてはいけません。その場合は、弔事用ののしあわびが付いていないのし紙を使って、お見舞いお礼を返すようにしましょう。
知らないと大変!水引にもマナーがあるって本当?
水引とは、祝儀袋・不祝儀袋の表面に付いている飾り紐のことをいいます。水引には、包みを止める役割のほかに、結び目の種類によって、贈り主の気持ちを表します。現在は、のし紙に印刷されているものを使用することが増え、自分で結び紐を結ぶことは、ほとんどありません。ただ、日本の美しい文化であり、大切な工芸である水引は、近年、その価値が再注目されています。
水引の種類とは?
水引には、金銀、紅白、白黒、白黄、双白、双銀など、いくつかの種類があります。快気祝いやお見舞いお返しなど、お祝い事全般には、紅白が使われますが、結婚や長寿のお祝いには、金銀が使われることもあります。
弔事ごとには、白黒の水引が使われることが多く、地域によっては、忌明け後の返礼に白黄の水引を使うところもあります。双白・双銀は、神式と弔事ごとでも、宗派や地域によって、違いがあります。水引の種類を間違えてしまうと、正しい贈り物としての意味を失ってしまうので、注意しましょう。
百貨店でご進物を選ぶ際、百貨店のロゴが入った専用のしを掛けることも出来ます。その場合、百貨店によって、同じ用向きでも水引の色(デザイン)が異なることがあります。実物を見せてもらいながら選ぶと良いでしょう。
水引の結び方と使い分けとは?
水引の結び方には、大きく分けて、蝶結びと結び切りがあります。
蝶結びは、花結びともいわれ、お祝いごとに花を添えることを意味しています。結び目を引くと、何度でも結べることから、出産や新築など、何度あっても良いことに使われます。一般的なお祝いやお礼に使われることが多く、よく目にする水引のひとつです。
結び切りは、婚礼や弔事ごとなどの、何度もあってほしくない出来事に対して使用します。
お見舞いお返しに使う場合、病気やケガは、何度も繰り返したくない出来事なので、水引5本の結び切りを使用します。婚礼は、水引10本の結び切りを使用するので、同じ結び切りでも種類があることを覚えておきましょう。
▼ 詳しい水引のマナーはこちらをチェック!
快気祝い・お見舞いお返しののしは、どれが正解?
快気祝い・お見舞いお返しののし紙と水引の選び方
水引10本の結び切りは、婚礼の時だけに使いますので、間違えないようにしましょう。
無事に病気やケガが治った、通院は必要だけど退院することが出来たという報告の意味も込めて、のしあわびが付いているのし紙を使用して下さい。のし紙の大きさは、のし掛けする商品によって異なります。商品を選んだときに、スタッフの方に相談してみてください。
入院中にお見舞いをもらったけど、残念ながら、亡くなってしまった場合は、紅白の結び切りは使用せず、白黒・双白・双銀の弔事用水引でお礼を贈りましょう。くれぐれも、のしあわびが付いていないのし紙を選んでください。
快気祝い・お見舞いお返しののしの表書きはなんて書けばいいの?
のし紙は、水引とのしだけが印刷されているのが一般的で、水引の上下に文字を書き入れることによって、誰から、どんな思いを込めて贈られたものなのかを表します。水引よりも上に入れる文字を「表書き」といい、水引の下には贈り主の名前をいれます。
快気祝い・お見舞いお返しの場合、「病気やケガが完治した」という場合は、「快気祝」や「全快祝」と表書きに入れましょう。表書きには送り仮名を入れないのが一般的です。「病気やケガは治ったけど、全快ではなくしばらく通院が必要」という状態の場合は、「快気内祝」としましょう。
ただし、「快気祝」と「快気内祝」は、あまり明確に使い分けられていません。
退院したけど、全快ではないという状態であれば、「御見舞御礼」とするのが無難です。
水引下の名入れは、贈り主の名前を記載します。病気や怪我が回復した本人の名前や、名前を含めた姓名を記しましょう。
快気祝い・お見舞いお返しののしの掛け方に決まりはあるの?
快気祝い・お見舞いお返しのギフトも決まり、のしも用意できたら、最後に掛け方を決めましょう。のしの掛け方には、大きく2種類あります。商品の箱にのしを掛けて、その上から包装する場合、包装紙に対して、のしが内側に付くので「内のし」といいます。商品を包装してからのしを掛ける場合、包装紙に対してのしが外側に付くので、「外のし」といいます。
どちらであっても、マナー的に問題はありません。配送する場合は、配送中にのしが破損してしまうといけないので、内のしにするのが一般的です。逆に、手渡しで贈る場合は、渡すときにのしが見えるように、外のしにすると良いでしょう。
まとめ
快気祝いやお見舞いお返しを贈る場合は、失礼にあたらないように、のしのマナーは特に気を付けましょう。入退院は何度もあってほしくない出来事なので、結び切りののしを使うことと、退院したときの状態によって、表書きの文言が変わってくることは、覚えておくようにしましょう。自分や家族が大変なときにいただいた心遣いに対してお礼をする意味でも、快気祝いやお見舞いお返しで、マナー違反がないようにしていきたいですね。