「新築祝い」と「引越し祝い」の違いとは？基本のマナーと相場を解説！

家族や友人など、身近な人が引っ越ししたらお祝いを贈ります。引っ越した時に贈る、「新築祝い」や「引越し祝い」は比較的気軽に贈れるお祝いですが、それぞれに違いがあることを知っていますか？

マンションや戸建住宅を購入したり、家を建てたりと、引っ越しの理由は人それぞれです。「新築祝い」と「引越し祝い」、どちらを贈っていいのか分からないという方のために、「新築祝い」と「引越し祝い」の違いについて解説します。さらに、お祝いを贈るときに気になるマナーや金額の相場を合わせてご紹介します。

新築祝いとは？

新築祝いとは、新しく住宅や店舗を建てたときに贈るお祝いのことです。家族や友人が新築の家を建て、その家に引っ越した時は「新築祝い」を贈りましょう。新築のマンションに引っ越した場合でも、新築祝いになります。
マンションでも戸建でも、新築で購入したのであれば、「引越し祝い」ではなく「新築祝い」が正しいお祝いです。

引越し祝いとは？

引越し祝いとは、中古の戸建・マンションを購入して引っ越した相手に贈るお祝いのことです。さらに、賃貸物件から別の賃貸物件に引っ越した時も、同じく引越し祝いになります。
ただし、同じ引っ越しでも、職場の上司や同僚が転勤になった場合のものであれば、それは「引越し祝い」ではなく「餞別」としてお祝いを贈ることになります。

このように、「新築祝い」と「引越し祝い」の違いは、引っ越し先が「新築」か「中古」かで決まります。どちらも引っ越しに関わるお祝いなので混乱しがちですが、相手が引っ越す物件がどちらかで判断しましょう。

新築祝いと引越し祝いのマナー

お祝いを贈るときのマナーは、新築祝い・引越し祝いどちらも同じです。お祝いギフトの選び方や、お祝いを渡すときのタイミングなど、気になる新築祝いと引越し祝いのマナーを紹介します。

新築祝いは現金・引越し祝いは品物ギフトを贈るのが一般的

新築祝いを贈るなら、お祝いとして現金を贈るのが一般的です。やはり新築の引っ越しは何かと出費がかさむイベントのため、お祝いとして現金を贈れば相手も喜んでくれます。

一方で引越し祝いは、商品券やお祝いギフトなどの現金以外のお祝いを贈る場合が多いです。ただ、「引越し祝いに現金を贈ってはいけない」というマナーはないので、相手との年齢差や距離感などを考え、適切なお祝いを贈りましょう。

新築祝い・引越し祝いを渡すタイミング

新築祝いや引越し祝いを渡すタイミングは、引っ越し後の新居に招待された時がベストです。直接会ってお祝いを渡し、新居を紹介してもらいましょう。
しかし、仕事の都合などで新居に足を運べないというケースもあります。そんなときは、住所を聞いて郵送すると良いでしょう。お祝いを郵送するときは、引っ越しから1ヵ月以内に送るのがベストです。

熨斗（のし）の表書き

新築祝いと引越し祝いの表書きは「蝶々結び」の祝儀袋・のし紙を使うのがマナーです。蝶々結びは何回あってもうれしいお祝いのときに使います。出産祝いと同じく、新築祝いと引越し祝いも何回あっても良いお祝いなので、マナーを守り正しい表書きのお祝いを贈りましょう。

表書きの名目は、新築祝いなら「御新築御祝」引越し祝いなら「御引越御祝」です。引っ越し先が新築か中古かわからない場合は、「御祝」でも大丈夫です。

新築祝いと引越し祝いで贈ってはいけない物

新築祝いや引越し祝いで品物のギフトを贈る場合は、マナー的に贈ってはいけない物を知っておかなければいけません。相手を不快な気持ちにさせないためにも、しっかりと確認しましょう。

火に関する物

ストーブやキャンドルなど、火を連想させる物は新築祝い・引越し祝いに適していません。火は家事を想像させるため、家を建てた方・引っ越した方に贈るのは避けましょう。
火に関する商品でなくても、赤色がメインのギフトもあまりよくありません。一般的に赤色のギフトは縁起が悪いため、新築祝い・引越し祝いでは贈らないようにしましょう。

壁にかける物

時計・絵画・写真など、壁に穴を空けるかもしれないギフトも良くありません。新築の家や新しいマンションに傷を付ける可能性がある贈り物は、受け取る相手が不快に感じてしまいます。新築祝いや引越し祝いでインテリアのギフトを贈りたいなら、壁掛けではなく置き型のものを選ぶようにしましょう。

履物

靴・靴下・スリッパなど、一見喜ばれるギフトに思われますが、実は履物は新築祝いや引越し祝いに不適切です。スリッパなどの履物は相手を踏みつけるという意味になり、贈る相手に失礼にあたります。特に目上の方への新築祝い・引越し祝いなら注意が必要です。相手を下に見ていると思われてしまうので、履物を贈るのは控えてください。

観葉植物

観葉植物は「根付く」という意味から、新築祝いや引越し祝いにぴったりのギフトと思われがちです。しかし、観葉植物は毎日の手入れが必要なので、人によっては嫌がられるかもしれません。さらに、観葉植物などの部屋に置くインテリアには好みがあります。事前に相手に好みや欲しいものを確認し、観葉植物が欲しいという人に限って、贈る方が無難です。

このように、お祝いギフトには相手に不快に思われてしまう物が多くあります。新築祝い・引越し祝いのギフトのマナーを理解して、相手に喜ばれる新築祝い・引越し祝いを選びましょう。

新築祝いと引越し祝いで喜ばれるギフト

先ほど、新築祝いや引越し祝いに贈ってはいけない物をご紹介しましたが、逆に受け取る相手に喜ばれる物もたくさんあります。せっかくなら引っ越し先で活躍するアイテムを贈って、大切な方の新居で使ってほしいですよね。
ここからは、そんな新築祝いや引越し祝いで喜ばれるギフトをご紹介します。

家電

新居に関するギフトと言えば、やはり家電です。高価な掃除機やお手頃価格のキッチン家電など、贈る相手の好みや関係性によって選ぶことができます。結婚などで引っ越しした場合の方は、何かと物入りの時期のため、家電だととても喜んでもらえるでしょう。

タオル

毎日使うタオルは、新築祝い・引越し祝いのギフトにぴったりです。引っ越しを機にタオルを一式買い替えるという方もいるので、事前に確認して贈れば、とても喜んでもらえます。今治のタオルなど、普段買わないような値段の、ちょっといいタオルを贈るといいかもしれませんね。

洗剤

食器用洗剤・洗濯用洗剤は毎日使う消耗品のため、新築祝い・引越し祝いのギフトにぴったりです。ただ、洗剤のギフトは、かなり大容量のものが詰め合わせになっている場合もあるので、贈る相手の家族構成を考えて、適切なものを贈りましょう。

お菓子

お祝いギフトの定番、お菓子の詰め合わせは誰にでも喜ばれます。新築祝いの現金と一緒に、ちょっとしたお菓子を贈るのもおすすめです。また、お菓子は比較的、ボリューム感のあるものが多いため、引っ越しした相手の家族が多い方へ贈る新築祝い・引越し祝いとしてもおすすめです。

カタログギフト

カタログギフトは様々なお祝いのシーンで贈れる、定番のギフトです。お祝いのギフトがなかなか決まらないという方は、カタログギフトを贈って相手に好きなものを選んでもらいましょう。

以上が新築祝い・引越し祝いで喜ばれるギフトです。贈る相手とその家族が喜んでくれるような、お祝いの気持ちが伝わるものを選びましょう。

新築祝いと引越し祝いの相場

新築祝いと引越し祝いの相場は、贈る相手によって変わります。正しいお祝いの相場を理解し、それぞれの相場に合った金額を贈りましょう。

身内 … 約10,000円～50,000円
友人 … 約5,000円～10,000円
上司・同僚・部下 … 約3,000円～10,000円

新築祝い・引越し祝いの相場は、自分の関係が近い人ほど高くなります。
上記の金額相場に加えて、自分と受け取る側との距離感や関係性を加味するようにしましょう。例えば、親戚に新築祝い・引越し祝いを贈る場合、自分と親戚の住居がかなり離れており、普段あまり交流がない場合は、相場通りの金額を贈る必要はありません。もしかしたら、贈った相手の方がもらった金額に対して負担に感じてしまうかもしれません。
相場通りに贈るのではなく、相手の負担になりすぎないようにお互いの気持ちを考えて、新築祝い・引越し祝いを贈りましょう。